ユネスコの無形文化遺産で、石川県の奥能登地方に古くから伝わる農耕神事「あえのこと」が9日、各地で行われました。
神事の冒頭、「これより神様を田んぼにお送りさせていただきます」と話すのは、祭りの主人・ゴテ。

ユネスコの無形文化遺産に登録されている農耕神事「あえのこと」。石川県輪島市三井町では独特の呼び名で「田の神様祭り」とされていて、地区単位で実施しています。
9日は祭りの主人・ゴテが、去年12月に迎え入れた田の神様に郷土料理「あいまぜ」などをふるまったあと、「やっとな?、田の神様よ?、あらよ?いよいっと♪」と唄いながら、神様を田んぼに送り届けます。

去年この地区では地震の影響で、米の作付け面積が例年の半分になったということです。ゴテを務めた輪島市立三井公民館の小山栄館長は、「去年は作物のできが良くなかったね。地震と豪雨の影響で。今年の神様は言うことを聞いてもらえるように3回ほどお願いした」と言います。

参加者らは田の神様を無事送り出し、今年の豊作を祈っていました。