病院事業が赤字に陥っているJA新潟厚生連に巨額の財政支援です。病院が所在する市が総額9億円、県が10億円程度の支援を行う方針を厚生連側に伝えました。
新潟県内で11の病院を運営するJA新潟厚生連のトップと花角知事、病院所在地の市長らが集まって開かれた会談。
【JA新潟厚生連 経営管理委員会 伊藤能徳 会長】
「昨今の診療報酬体系等も影響して、現在の診療形態、運営を維持するには、自助努力のみでは完全な赤字の解消を難しいのが実態」

厚生連は経営危機を公表した去年7月以降、役員報酬の減額や運営の見直しなど緊急対策を実施。

その結果、当初74億円ほどと見込まれていた今年度の赤字を、45億6000万円まで縮小できる見込みになりました。

しかし、依然として来年度にも資金の枯渇が見込まれる危機的状況で、県や立地自治体に支援を求めていました。
6日の会談で注目されたのは、その要望に対する知事らの回答。花角知事は厚生連病院について、「地域医療を支える大切なネットワーク」と述べ、「自助努力が前提」とした上で…

【花角知事】
「来年度の事業継続に必要な支援ということで、総額10億円程度を考えているところで最終的な調整を進めたい」
2月議会ではかられる予算案に10億円規模の支援を盛り込む方向で最終調整していると明らかにしました。

さらに糸魚川市や佐渡市、柏崎市など立地自治体9市は、総額9億円ほどの支援を行う方針だと説明。

厚生連によりますと、この財政支援などにより来年度の資金の枯渇は回避できる見通しとなったということです。ただ、それ以降の安定経営に向けては抜本的な改革が求められます。

【JA新潟厚生連 塚田芳久 理事長】
「この苦しい医療環境の中でそれだけの支援をいただけることは望外の幸せだと思っているし、我々に対しての期待の大きさをまた感じている。今後の地域医療の、ある意味では見本になるような改革の在り方を示していきたい」
県やそれぞれの市の支援は補正予算案や新年度予算案に盛り込まれ、2月議会で審議される見通しです。