能登半島地震で被災した能登半島の経済再生には、観光産業の再建がひとつのカギとなります。奥能登の観光拠点となる、石川県七尾市の和倉温泉では、遅れていた護岸工事が2024年末にようやく始まり、仮設商店街も建設されるなど復興への光がさし始めていました。
未だ回復しない一般の宿泊客
開湯1200年の歴史を持つ七尾市、和倉温泉。現在、観光客を受け入れているのは4つの旅館だけです。2024年5月に営業を再開した旅館は、一般客の宿泊がまだ回復していないと話します。

花ごよみ・北村金次社長(2024年11月取材)「8月と多かったんですけど、今はひと段落ついてこの間の豪雨でぐっと減りましたね。被害の注目度が上がってしまって、今行っても迷惑になるとか。ボランティアでしか用事がないという能登半島になった」
海が見える眺望が自慢だった各旅館の復旧を遅らせたのは、莫大な解体費用や業者の不足に加え、護岸整備の問題でした。

和倉温泉旅館協同組合 平野正樹 事務局課長「国の方から、県や市に公共帰属をして直してもらうという案が示された」
和倉温泉周辺の損壊した護岸、約3・5キロは、県や七尾市が所有する部分と旅館などの民有地が混在していて早期復旧への課題となっていました。このうち、自力での復旧が困難な民間所有の護岸の権利は県や七尾市に移され、護岸ほぼ全域にわたり国による権限代行として、12月、復旧工事が始まりました。