漫画で伝えたかった“防災”…実体験を描く

去年4月、大手出版社から電子書籍出版の話が来た時、まえださんには、もう一つこだわりたいポイントがあったと話します。

防災について考えてもらうことです。
避難時の服装や食料、断水時の工夫など体験を通したアドバイスが各所に紹介されています。


まえだ永吉さん
「読んでくれた人の防災意識が高まったらいいなと思って描いたので、監修には防災アドバイザーの方も入ってくださった」

今も続く解体作業…「被災者が良くなるなら、何でも書きます!」

震災から半年間の様子が描かれた、まえださんの体験記。慣れ親しんだ通学路での被害も紹介されていました。

慣れ親しんだ通学路

まえだ永吉さん
「この辺が一番慣れ親しんだ地区のなかで一番被害がひどかったので『こういう所もあるんだよ』というのを伝えたくて書いた。家がなくなって、避難生活をしている人もいるのでその現状も感じてもらえたら」

震災から2か月後の様子

2007年の地震の際にも大きな被害を受けたこの地区は、今回の地震でも再び多くの家が倒壊し、いまは解体作業が進められています。

七尾に住み、自身も被災した漫画家として、まえださんは被災地を漫画で発信することで寄り添い続けたいと話します。

まえださんの思い

まえだ永吉さん
「全国の人からしたらもう地震は過去のこと。忘れてるんじゃないかと思うので、なにか私が発信することで石川県がいいふうにいくんだったら。被災した人が良いふうにいくのなら、何でも書きます!」