議会襲撃事件 それぞれの実像

トランプ氏(2021年1月)
「我々は決して諦めない、決して敗北を認めない。連邦議会まで歩いて行くぞ」
2021年1月6日に起きた連邦議会襲撃事件。バイデン氏が勝利した前回の大統領選挙で不正があったとして、トランプ氏の支持者が議会に乱入。トランプ大統領の要求に従わなかったペンス元副大統領も標的だった。

この事件を扇動した罪などで、極右団体「プラウドボーイズ」の元代表の男らが逮捕、刑務所に収監されている。
就任式のパブリックビューイング会場の外には、その仲間たちが集まっていた。

プラウドボーイズのメンバー
「侵入罪で4年の刑の仲間に恩赦を求めたい。武器も何も持ってなかったのに4年だよ」
この事件で有罪になった1500人に対し、今回の大統領令で恩赦を与えたのだ。
村瀬キャスター
「こちらに見えているのがワシントン郊外にある刑務所です。この刑務所の中には、議会襲撃で有罪判決を受けた受刑者たちが今も入っています。今日にも出てくるかもしれないということで、家族たちが出てくる受刑者たちを待っています」
マイナス10度を下回る寒さの中、歌を歌いながらそのときを待つ家族たち。

受刑者たちは暴徒ではなく“人質”だと、プラカードを掲げる女性の姿も。
「聞こえなかった人たちのために言います。ダニエル・ボウルとドミニク・ボックスの恩赦が決定しました」
恩赦が決まったダニエルさんの父親は…

ダニエル・ボウルさんの父親 エリックさん
「これが息子です。みんなから愛されてますよ。もしトランプが2期連続で(大統領を)務めていたらこんなことにはならなかった」
母親は…

母親 バーバラさん
「思いっきり抱きしめてあげたい。面会では短いハグしか許されなかったから」
そして、約1時間後。ホワイトハウスの関係者が現れた。
ホワイトハウス関係者
「今夜、彼らは釈放されました。トランプ大統領が恩赦に署名した後、釈放されました」
襲撃に加わり、3か月前に刑務所を出てきたというロニー・サンドリンさん。連邦議会の前で当時の様子を聞いた。

ロニー・サンドリンさん
「最初はとても平和的でした。自由に声をあげられるのがアメリカのいいところです。しかし、それはすぐに混沌と暴力に変わりました。なぜあんなことになったのかわかりませんが、暴力は彼ら(警察)の方から始まったんです」
これはロニーさんが議会に突入した時の映像だ。感極まって、こう叫んでいる。

ロニー・サンドリンさん
「歴史を作ったぞ。ありがとう、愛国者たち。ここは俺たちの家だ」
その後、傷害の罪で逮捕されたロニーさんは、4年近く刑務所に収容された。
ロニー・サンドリンさん
「あの日はすでに議員たちが選挙結果に抗議していました。私たちはその議員たちを応援するために行ったのです。家族に迷惑をかけてしまったことは残念ですが、後悔はしていません」
一方、現場で対応にあたっていた議会警察のトップに話を聞くと…

スティーブン・サンド元議会警察長官
「群衆と警察官の比率は58対1と言われていますが、警察官はもっと少なかったと思います。群衆は暴力的で、私の部下は激しく殴られました。一人は脳出血を起こし、翌日亡くなりました」
さらに事件のあと、警察官の自殺が相次いだという。
スティーブン・サンド元議会警察長官
「最初の自殺は1月9日の土曜日、部下のリーベングッドでした。彼らの体験は想像を絶します。私にとってもトラウマでしたが、警察官全員にとってもトラウマです」
今回、トランプ大統領はおよそ1500人に恩赦を与えたが、中には警察官を暴行した人物も含まれている。
村瀬キャスター
「今回、多くの犯罪者が恩赦されていますが?」
スティーブン・サンド元議会警察長官
「個別のケースごとに取り扱うべきだったと思う。私たちが直面している分断を悪化させるだけです。そうあってほしくありません。暴力がさらに増えないことを願います」














