「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉は、近年 広く普及し、多くの企業や団体が、SDGsの達成に向け 様々な取りくみをしているが、その達成にも通じ、今、世界的に広がりを見せている新たな経済モデルをご存知だろうか?

それが、「ECG」=「公共善エコノミー」。「利益」よりも、「人」や「地球」を優先する経済モデルだ。

この「公共善エコノミー」の提唱者・オーストリア人のクリスティアン・フェルバーさんが、2024年12月、初来日し、長崎大学で講演を行った。そこで語られた「公共善エコノミー」の基本的な考え方を紹介する。
”頭で立つパフォーマンス” その意味...

クリスティアン・フェルバー氏。学者であり、作家であり、ダンスパフォーマーでもありと、多くの顔を持つ。
長崎大学での講演は、頭で立つパフォーマンスから始まった。

このパフォーマンスには意味がある。

今日の資本主義経済の目的が、人間社会で大切にされるべき本来の価値とは逆になっていることを意味していた。

フェルバー氏「どういう価値観が、個人的な人間関係を繁栄させるでしょうか?」

「『平和』、『愛』、『笑顔』、『信頼』、『助け合い』、『尊敬』、『尊厳』・・・これらは、世界中どこで聞いても同じなんです」

このように、、人間関係や共同生活においては、世界共通の普遍的な価値がある。フェルバー氏は、これを「公共善」としている。
ところが・・・

『奇妙だ。今日の経済においては、私たちの日常的な人間関係において大切なものとまったく異なる価値が重んじられている』(クリスティアン・フェルバー著『公共善エコノミー』より)
フェルバー氏は、自身の著書『公共善エコノミー』の冒頭で、上記のように疑問を投げかけている。

経済学の教科書だけが「自らの利益を追求するために他者と競争し、勝つこと」を教えていて、それは、人間関係の中で重んじられている「信頼、協調、尊重…」といった価値(=公共善)とは真逆であり、大きな矛盾が生じている、というのだ。
この競争原理の上に立つ今日の経済システムが 対立・分断・格差を生み、様々な社会問題を引き起こしている、と言う。

そこで、フェルバー氏は、経済の目的も、人間関係において本来大切にされるべき価値(=公共善)に合わせることを提案している。

それこそが「公共善エコノミー」だ。














