事態の問題点は「コンプラ部門が全く動いていないところ」

井上貴博キャスター:
今回の会見の中で「プライバシーを保護するために」という言葉が何度も使われました。しかし情報共有がなされていないという、企業としてのガバナンスの基本がなっていなかったことが明らかになりました。

今後、企業として具体的にどこをどう変えていくとガバナンスを再生できるのでしょうか。

危機管理コンサルタント 久我誠さん:
今回の問題は、基本的に“プライバシーの問題”と、“公益性の問題”の実態を解明しないと再発防止に生きてきません。

その実態解明の責任を全く放棄してしまって、女性のプライバシーを守ろうとすることだけに意識が行き過ぎている。現時点に至るまで明らかになっていないことが多すぎる。だからこそ、今回の会見でもあまり説明がない。そこが一番の問題だと思います。

ホラン千秋キャスター:
危機管理の観点から言うと、どこが一番まずかった点になるのでしょうか。

久我誠さん:
基本的にコンプラ部門が今回の事態で動いていないところですね。

港社長が自身の辞任の理由に挙げた「人権侵害の恐れがあったことに気付かなかった」ということ。人権侵害の恐れがあったかもしれないという意識は、このようなことが起これば当然、第一に考えなければいけない。そこにコンプライアンスが機能し始めなければいけません。しかし、それが全くなされてなかったことが今回の会見で明らかになったと思います。

井上キャスター:
それは人を変えるだけで変えられるものなのでしょうか。

久我誠さん:
変われないです。風土を変えるには人を変えるだけではなく、今回の事象から一体どういう課題があるのかということを自身で解明していくことがとても大事になります。