イブニングニュースでは今年、さらなる活躍が期待される岡山・香川ゆかりのアスリートや著名人についてシリーズでお伝えしています。今回は、岡山県倉敷市出身の書家・中塚翠涛(なかつか・すいとう)さんです。文字の形や墨の色に捉われない「自由な書」で知られ、東京を拠点に海外にも活躍の幅を広げる中塚さんに、書にかける思いと抱負を聞きました。
自分の鎧を外すと本当に必要なことが見えてくる

(書家 中塚翠涛さん)
「『喫茶去』は…、場所かな。こちらの場所(レストラン)に来たからですかね。『一服する時間が大事だよ』という意味の禅語なんですけど。走り続けるだけではなくて、立ち止まって、そういう時間も必要だなという思いを描きました」

書家・中塚翠涛さん。型に捉われない自由な書で知られ、これまでにテレビドラマや本の題字、商品のパッケージや空間のデザインなど幅広い分野で、筆を使ったさまざまなアート作品を手がけてきました。その豊かな表現力で、国内外から高い評価を集めています。
(中塚翠涛さん)
「文字に命が宿っている。自分の我が子のような気持ちにもなる。書は自分の日常にあるもの。本当に大好きで…」
中塚さんが書道教室に通い始めたのは、小学生のとき。先に習い始めた兄の影響で、自然と筆を握るようになったといいます。その稽古は決して、甘いものではありませんでした。
(中塚翠涛さん)
「みんな切磋琢磨して頑張っている教室だったので、その教室では、たくさん練習して、たくさん…泣いていたらしいです。私は記憶がないです」