政府が目指す2050年温室効果ガス排出量実質ゼロに向け、海運大手の日本郵船がアンモニアを燃料にした船を世界で初めて竣工した。次世代燃料としての可能性はどれだけ秘められているのか。日本郵船の長澤会長にその戦略を聞く。
世界初!アンモニア燃料船 「日本郵船」の挑戦と戦略

海に囲まれた日本にとって、必要不可欠な「海運事業」。日本における貿易の99%は、海上輸送によるもの。その海運業界でリーディングカンパニーとして、日本の貿易を支えているのが、日本郵船。

日本郵船は、三菱財閥の創始者である岩崎彌太郎が創業した郵便汽船三菱会社が、共同運輸会社と1885年に合併し誕生した。

140年の歴史を持つ日本郵船。2024年8月に世界初のアンモニアを燃料とする船を竣工した。現在、東京湾で大型船をけん引するタグボートとして、商用運航している。アンモニア燃料の最大の特徴は、炭素を含まないため、燃焼してもCO2=二酸化炭素を排出しない。政府が目指す2050年温室効果ガス排出量実質ゼロに向けて、海運業界でも動きが加速している。