ドジャースの育成システムとは

Q.ドジャースは育成システムが構築されているのか
五十嵐:

僕はそう思いますね。メッツでプレーしてる時にマイナーでプレーしててなかなか結果が出せなかった選手がいたんです。けれども彼がドジャースに移籍して、その年からめちゃくちゃ活躍したんですよ。そこから、もう活躍し続けて、もうドジャースの中で本当にトッププレーヤーになったジャスティン・ターナーという選手がいた。彼がその活躍した理由を去年、取材する機会があったので聞いたが、やっぱり、(ドジャースは)選手に対するアプローチが違ったと。メッツにいる時に、どういう選手になって貰いたいというバッティングを理想として目指してやってきたんだけれども、ドジャースはまた違ったバッティングスタイルを求められた。それが自分には合ってたって言ったんです。ドジャースに行って、自分のバッティングスタイルを新たに見つける事によって結果がついてきた。
 だからチームによっては、その選手にどういう選手になってほしいという、アプローチはね、やっぱり違うと思うんですよ。そう、考えると(ドジャースは)選手に合ったもの、選手が能力が引き出せるもの、というのをやっぱりそういったノウハウをわかってる。これは野手に限らず、ピッチャーもそうなんですけど、ドジャースに移籍して、ピッチャーがやっぱり前にいたチームと違うボールを投げたりとか、配球バランスを変えたりする事によって、結果で出てくる。やっぱそういった選手が多いので、監督、コーチであったりとかアナリストですよね。そういった方たちの選手に対しての活躍するためのノウハウをしっかり理解してるのかなっていうふうには思いますよね。

Q.ドジャースが佐々木投手に求めるものとは…
五十嵐:

佐々木投手も本人の中で、やっぱりサイ・ヤング賞を取りたい。もうメジャーのトップですから、トップのイトルなので、そこを目指していくのでそういった選手になって貰いたいという想いは強いと思います。ただ、まだ発展途上というか、まだ投手として“伸びしろがかなりある”ので、そこに向けてどう佐々木朗希投手が成長していくか、をドジャース側も見守りながら、という形になるのかなと思いますね。

Q.今のマイナー契約からメジャー契約への変更は…
五十嵐:

普通です。だって、大谷選手が行った時と同じような形なので結果を残すとかメジャーで投げて貰いたいってなると、メジャー枠に入るという事だけなので、それは全然、可能というかもうもう既に、もうそこに入る事は想定されてると思います。
 あとはキャンプであったり、オープン戦の結果を見て、何番手にしようかっていう所なんじゃないのかなと思います。やっぱりまずその試合で使ってみてどうなのかどう修正していくのかっていう所をやっていくと思うので“開幕には入ってくる”でしょうし、日本にも必ず来ると思います。

チームに日本人選手のいるメリット

Q.チームに日本人がいるといないのとでは違いますね
五十嵐:

違います。やっぱり日本とアメリカのキャンプの流れも全然違いますし、やっぱボールの対応とか気候もやっぱ乾燥してる所と湿度が高い所でまた違ってくる。そういった時にどういった対応をしなければいけないかっていう所を、やっぱり実際にしてた人の言葉、しかも日本語ですからねトッププレーヤーになるてくるとその辺心強いですよね。特にやっぱピッチクロックとかになると、その時間制限の中で日本ではやってなかったけどアメリカではやらなきゃいけないそん時にどういった対応するのがいいのかとか、やっぱアドバイスを受けられるっていう佐々木投手にとってはアドバンテージですよね。

Q.御自身もメッツに行かれた時に、チームに高橋尚成さんがいたのは大きかった?
五十嵐:

大きかったですね。もうスペイン語、英語がほぼほぼじゃないですか。その英語をなるべく聞き取るようにってなってるとやっぱ耳も疲れるし、最初は気持ち的にも疲れちゃうんです。けれどもそんな中で日本語が話せる、しかもやっぱ英語だと自分の思いを100%伝えきれないんです。日本語だったら100%伝えきれる。この安心感というのは高橋さんがいたおかげですごく助けられました。

Q.やっぱそうなると大谷選手、山本投手の存在は…
五十嵐:

心強いんじゃないですか。あんまり頼りすぎるのも良くはないと思うので、また佐々木投手もやっぱアメリカでやるってなったらもちろん日本人選手はいるけれども、そこだけと仲良くしておけばいいって訳ではない。そうなっちゃうと逆にその他の選手との距離感っていうのがちょっと遠くなってしまう。そこは避けたいので、やっぱり、いろんな選手とたくさんコミュニケーション取っていって、日本人よりもそうじゃない選手と仲良くするとかね。それぐらいの感覚でいった方が僕はいいような気がしますね。