20日は二十四節気のひとつ「大寒」です。1年のうちで最も寒さが厳しいころとされていますが、石川県内は寒さが緩みました。この時期ならでは、金沢市では寒のり炊きが行われました。
金沢職人大学校で行われる毎年恒例の「寒のり炊き」は、掛け軸や巻物などを修復する際に使用する古のりを作る工程の一つです。
古のりは小麦粉のでんぷんと、雑菌が少ないとされる大寒の冷たい水を混ぜ合わせ釜で炊き上げた後、数年間貯蔵します。

20日の県内は大寒とは思えない穏やかな1日となった所が多く、最高気温は小松で13.1度、加賀中津原で11.8度、金沢で11.5度といずれも3月並みになりました。
金沢職人大学校・表具課講師 武部正典さん「糊が暖かいと早く腐ってしまうのでちょっと心配だが、朝晩冷えるのでなんとかいい糊ができてくれるんじゃないかと思う」

古のりは粘着力が弱いため、繊細な文化財の修復などに適しているということです。金沢職人大学校の講師や生徒など10人ほどが、作業に精を出していました。