イオンモール内へのテナントの出店も検討しましたが、人件費などを理由に断念しました。

岡村さん:
「(テナント出店の場合)個人でしっかりした店構えを作らなければいけない。イオンは)年中休みなし、朝から晩までやっている。それにはパートさんも3人くらい入れなければならない」

こうした中、須坂市では物産などを販売するブースをイオンモールの中に設置することを計画。

グルメを中心に須坂の魅力を発信し、街なかへの誘客を狙います。

費用は、クラウドファンディング型のふるさと納税を活用し、目標を大きく上回る7億円近い寄付が集まりました。

こうした市の取り組みに、出店を断念した岡村さんもチャンスととらえています。

岡村さん:
「イオンモールにうちの『栗中華』も、ちょっと展示できればなあなんていうふうに感じております」

「栗中華」は栗1個と餡をカステラ風の皮で包んだ「盛進堂」の看板商品。

岡村さん:
「栗だけのきんとんの中華にしようとか、プレミアム栗中華、何かそんなものを作ってみたいなというようなつもりでおります」

地元から期待の声があがる一方で、イオンモール須坂の開業に危機感を募らせるのは、近隣の市町村です。


松代商店会連合会・島田俊仁会長:
「買い物弱者をより多く出してしまう。小さいお店を残せるような施策をお願いできればと思います」

長野市の商工団体は2024年、経済対策の強化などを市に要望し、イオンモールとの共存を目指します。

また、長野市の荻原市長が2024年7月に中学生と開いたランチミーティングでは。

中学生:
「イオンとか大きな(商業施設が)できるじゃないですか、そういうのって長野市だとあんまないじゃないですか」
長野市・荻原健司市長:
「ないね」
中学生:
「そういう大きいのを商業施設ね招致したらどうかとか」
荻原市長:
「そうですね」

若い世代にとっても関心が高いようです。

須坂市・三木正夫市長:
「須坂市だけのことを考えるんじゃなくて北信全体を(考えている)」
「例えばイオンモールへ来たお客さんが小布施行くとか志賀高原行くとか戸隠行くとか松代行くとか高山行くとか善光寺行くとか」
「インバウンドにとってもすごくメリットがあるかなと思っています」


建設中のイオンモールの周辺では12月下旬、観光の拠点となる「ホテルルートイン須坂」がオープン。