現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭の秋会期がきょう(29日)から始まりました。秋会期からは香川県中西部の4つの島が会場に加わります。そのうちの1つ、伊吹島にもさっそく来場者が訪れ、にぎわいを見せていました。


漁船に、大漁旗で歓迎です。秋会期の初日船で来場者を島あげて出迎えた人口300人余りの伊吹島です。港に活気が溢れました。

(伊吹島の住民)
「人口も減っとるしな、やっぱりいいですわ。人が来たらな」

イリコで知られる伊吹島に100年前に建てられた旧郵便局が、22ある新作の1つになりました。タイトルは「つながる海」。

インドネシアの6人のアーティストで作る「ゲゲルボヨ」が、四方を海に囲まれた日本・ジャワ・インドネシアに見られる類似性を基に展開したインスタレーションです。

(訪れた人)
「インドネシアの人とか外国の方がアーティストとして作られているのを見たら、日本人とは違う感性持っててすごいなって」

秋会期から会場となっている多度津町の高見島です。港では真っ赤な新作「メリー・ゲイツ」が来場者を出迎えます。高見島では10の新作をみることができます。その多くで島に残る空き家が活用されたのも特徴です。


空き家に漂うモノの気配。それを目で表現した山下茜里さんの「リマインド」です。1000を超える目が見つめます。

(山下茜里さん)
「そこに住んでいた方々の気配だったり思いだったり、思い出とかそういういろんなものが詰まっているなと思って作りました」

コロナの第7波が収束に向かう中、海外からの観光客を受け入れるべく、国は水際対策の見直しを進めます。さらに10月からは観光庁が全国旅行支援を立ち上げると発表し、国内の旅行需要にも期待がかかります。

(池田豊人香川県知事)
「(全国旅行支援)ぎりぎり間に合ったかなという気がします。ぜひそういった制度も活用して大勢の方に秋会期にお出でいただいたらいいなと思っております」

春夏に続き秋会期も徹底した予防策が呼びかけられるなど、瀬戸芸はウイズ・コロナ時代に開催する大型イベントのモデルケースになっています。秋会期は11月6日まで開かれます。