ノーベル平和賞受賞は「半分うれしくて半分怖い」
そして去年10月、ノーベル平和賞を受賞。発表の瞬間は、くしくも都内で被団協の会合などに出席した帰りの機内でした。

松浦さん
「松山空港に着陸してスマホを起動すると、8通も9通も『ノーベル平和賞受賞おめでとうございます』というメッセージがあったり、不在着信が23件かな。『ウクライナとかガザとかで核兵器が使われる危険がある』という時代状況を認識して、それに警告を発するためにあえて日本被団協に平和賞を与えたのだろうと推測したので、そういう意味では半分はうれしくて半分は怖い」
ノルウェー・オスロで開催された授賞式には松浦さんも出席しました。
松浦さん
「ノーベル委員会の委員長は40歳と若い方なんですけど、日本被団協とか被爆者の状態について非常に詳しく正確に認識していただいて、活動についても正しく評価していただいたのが発言から伺えて、非常にうれしく思いました。今回の受賞を通じて世界中に日本被団協・被爆者の『核兵器を無くしてほしい』という訴えが届くようになったと思って、その点は非常にうれしく思いますね」
また、オスロ大学では400人を前に講演し、放射線被害について強調したといいます。
松浦さん
「自分自身の体が時限爆弾を抱えているような感覚で、いつ健康被害が起こるか分からない。被爆80年を迎えようとしても、まだまだ被爆者の体や心を痛めつけるのが原爆。人類とは共存できない兵器だと思っているので、その点を強く学生たちに訴えてきました」