間もなく大統領に返り咲くドナルド・トランプ氏。周辺国などへの脅しとも取れる言動が、波紋を広げています。

次期大統領・トランプ氏の“脅迫外交”

あるプライベートジェットのコックピットに、トランプ氏の人形が飾られていました。眼下に望むのは、氷に覆われた世界です。

乗っている人
「あの滑走路はサンタクロース用かな?」

そのプライベートジェットが降り立ったのは、北極圏にある島・グリーンランド。訪れたのは、トランプ氏の長男のトランプ・ジュニア氏です。

――なぜグリーンランドに?

トランプ・ジュニア氏
「観光で来ただけだよ、良いところだ。父とはきのう話したけど、『グリーンランドの皆によろしく』って」

「観光」の裏にある目的とは。同じころ、記者会見を行ったトランプ氏はこう発言していました。

トランプ次期大統領
「国家の安全保障のために、グリーンランドが必要だ」

デンマークの自治領であるグリーンランドをアメリカが領有すべきだと主張したのです。

地下資源が豊富で、軍事的な要衝にもなる北極圏。グリーンランド周辺でのロシアや中国との覇権争いが念頭にあるとみられます。

トランプ次期大統領
「周辺には中国の船、ロシアの船も至るところにいる。それは許さない」

南米のパナマ運河をめぐっても、アメリカへの「返還」を主張するトランプ氏。実現に向けた手段を問われると...

――軍事的・経済的な脅しをかけないと保証できる?

トランプ次期大統領
「パナマ運河とグリーンランドについて、脅しをかけないとは確約できない」

まさに“力による現状変更”とも取れる脅し。これに対し、ドイツのショルツ首相はこうたしなめました。

ドイツ ショルツ首相(1月8日)
「国境不可侵の原則は東西を問わず、すべての国に適用される。超大国であろうと、すべての国は従わなければならない」