島根県の丸山達也知事は1月10日の定例記者会見で、去年元日に発生した能登半島地震被災地の現状について、「水道がまだ通っていない。復興というか、復旧ができていない。日本の国として恥ずかしいこと。」と政府の対応の遅れを指摘しました。

去年1月1日に発生した能登半島地震。1年が経過した今も、倒壊した家屋などの解体や撤去作業が遅れ、被災地では水道の復旧が進まない地域もあります。

島根県の丸山知事は被災地に対する政府の対応について「政局優先で補正予算を12月まで遅らせてきたことを含めて、迅速だったとはとても言い難い。まずは被災をした方々の抱えている課題を早く解決していくことを最優先に政治はやらないといけない。」と指摘しました。

さらに、「(去年秋の衆議院選挙で)石川3区は小選挙区で自民党は負けた。有権者の審判は下されている。総選挙の結果を受けて、今の対応で十分だとは被災地の皆さんは思っていない訳だから、出来てないことを出来てないと認めて、早く取りかかることが大事。」と述べました。

こうした発言をする理由について丸山知事は、「能登のスピードがこれからの政府の前例になる。したがって、島根半島や島根県の山間部で同じような災害があった時に、能登でのスピードを前提に政府は対応してくる。私はそれは耐え難い。他の地域も同じような扱いを受けると宣言されているようなもの。」とし、今後の政府の災害対応に懸念を示しました。

能登半島地震の発生から1年。被災地の一刻も早い復旧・復興とともに、今後につながる政府の対応が求められます。