■「106万円の壁」対象企業拡大 従業員数500人超→100人超
上村彩子キャスター:
収入を増加させたいという方の中でも、共働きの方は「106万円の壁」に注意が必要になります。

現在の条件は
▼収入が月8万8000円以上(年収約106万円)
▼1週間の所定労働時間20時間以上
▼従業員500人を超える企業で勤務
など、これらの条件が揃うと、健康保険と厚生年金への加入の義務が出て、保険料を納付する必要があります。そうすると収入を増やそうとしても保険料がかかってしまい、手元に入るお金は少ない。そのため106万円を超えないように計算をしながら働く方が多いので「106万円の壁」と呼ばれています。
そのルールが10月から、「従業員500人を超える企業」→「従業員100人を超える企業」へと変更することになり、対象者が激増すると言われています。
ではどのように変化していくのでしょうか。年収106万円の壁のシミュレーションです。
▼横浜市在住40代の夫婦
夫:会社員 年収500万円
妻:夫の扶養
従業員200人の企業でパート勤務
年収103万円-住民税1万円=手取り102万円

<現ルールで年収108万円まで増やした場合>
▼パート先は従業員200人の企業なので106万円の壁は越えない
▼パートの勤務が増えるので雇用保険・所得税・住民税は少し増額
手取りは106万300円。4万300円プラスとなります。
<新ルールで年収108万円まで増やした場合>
従業員100人超の会社で勤務しているため、10月から社会保険の加入が必要になり、健康保険6万667円、厚生年金9万6624円が引かれます。
手取りは91万円。10万7691円むしろマイナスとなります。

では、もっと稼ごうと思うと「130万円の壁」が出てきます。仮に135万円稼いだとしましょう。そうすると配偶者の扶養から外れてしまいます。雇用保険や健康保険、厚生年金もそれぞれアップして、手取りは112万1736円です。
そうすると103万円稼いでいたときよりも10万円ほどプラスにはなるんですが、「パートの勤務時間も増やしたのに、月で割ると1万円にも満たない増加」ということになってしまいます。