車両での輸送にドローンによる輸送を組み合わせた「新スマート物流」の実現を目指して、岩泉町で商品の配送の実証実験が行われました。

岩泉町の安家地区で行われた9日の実証実験は、人口減少などの課題を抱える中山間地域での輸送に「新スマート物流」を活用しようと、県や町、ドローンを運用する企業などが実施したものです。
「新スマート物流」は、ドローンを活用した輸送を車両での輸送に組み合わせることで、車両が入りづらい地域への輸送が可能となる他、配送を担うドライバーの負担も軽減します。
人口減少などを背景に近年全国的に導入の検討が進められているものの、導入コストや航空法の規制などにより本格導入に至ったケースはまだないといいます。
9日の実証実験では、ドローンに日本酒やヨーグルトなどおよそ3.5キロの荷物が積み込まれると、荷物を待つおよそ4.2キロ先にいる住民のもとへ飛び立ちました。
するとおよそ10分後。

(ドローン着陸)
(地域の人は)
「(ドローンは)都会のものだと思っていたので第一にびっくり。(2016年の)台風10号の時ここは半月ほど(市街地)と行き来ができずヘリコプターに2回来てもらった。こういうサービスがあれば助かると思う」
今回の実証実験には町内の企業も参加していて、新スマート物流の実現に期待を寄せています。
(岩泉ホールディングス 佐々木康幸常務取締役)
「岩泉町は集落が点在している。こういう輸送手段が確立していけば夢が広がると思う」
県は2024年度中に、今回の実験の結果などを基に配送用ドローン運用のためのガイドラインを策定し、自治体の導入を支援していく考えです。