村が観光客でにぎわう一方、課題も出ています。

丸山俊郎(まるやまとしろう)村長も、急増する観光客に施設が追いついていない状況を懸念しています。

白馬村・丸山俊郎村長:
「レストランなどにおいて需要に対して十分な数が足りていないといった課題がこれまでも生じてきており」

こうした課題に応えようと12月にオープンしたのが「白馬八方山吹食堂(やまぶきしょうどう)」。


もともと旅館の食堂でしたが、全面リニューアルを行い、宿泊者以外も利用できる形態に変わりました。

目指すのは「泊食分離(はくしょくぶんり)」の受け皿です。

白馬丸金旅館 丸山貴義(まるやま・たかよし)社長:
「近年の物価高騰などもありまして、どんどん食事の料金、1泊2日の料金が上がるとともに、お客様自身も自分の食事は自分で選べる方がいいと、そういった合理化を求められる方が増えてきている」

宿泊施設以外で食事をとることが多い外国人の観光客ですが、最近では国内からの観光客もその傾向が強いといいます。

白馬丸金旅館 丸山貴義社長:
「この地域、小さいお宿が多いので、食事の継続、非常に難儀しているお宿が少なくありません。皆さん非常に人がいいので、食事の継続ができなくなったらお客様に申し訳が立たないので、もう宿の経営をやめてしまおう、たたんでしまおうという若干さみしい話が増えてきております」

そこでオープンしたのがこの食堂。

山吹食堂を運営するズクトチエの和田寛(わだ・ゆたか)さんは、飲食部門を地域で支えることが旅館にとっても負担の軽減になり、事業の継続につながると話します。

ズクトチエ 和田寛さん:
「もともと地元で頑張ってやろうぜ!と思っていらっしゃる方が、そういう選択肢があるならもう少し長持ちするねと思ってもらえる一助になればいいなと思っていますし、白馬の人、日本の人が元気に商売ができるってのが僕らにとっては大事なことなのかなと思っています」


食堂のメニューなどは小諸市の山吹味噌グループが手がけていて、味噌ダレで漬けこんだ「山賊焼き」や白みそを使った「豚汁」のほか、味噌をベースにした特製ダレで蒸し焼きにした「ちゃんちゃん焼き」など、味噌をふんだんに使った料理が楽しめます。

ズクトチエ 和田寛さん:
「観光客の方、お泊りの方に、長野の味を味わっていただく一つの拠点になればいいなと」

今後も増加が見込まれる観光客に対応し商機にもつなげていこうと関係者が知恵を絞っています。