「緩やかに回復」
【平】本業の一つである景気分析ですが、日銀長崎支店が先月公表した県内の金融経済概況によりますと、「長崎県の景気は緩やかに回復している」と18か月連続で判断を据え置きました。
また、先月の短観=企業短期経済観測調査をみると、県内の全産業の景況感は「高水準で横ばい」という状況を続けています。回答があった県内131社のうち、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた業況判断指数は18となり、3か月前の前回調査からは低下しているものの、高水準を維持しているとの評価です。
長崎の経済構造からは、どんな特徴が見られるのか、また長崎スタジアムシティが開業したことなどによる県内経済への影響を聞きました。
日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「水産業については一次産業の中でも全国対比、かなり力が入っている分野という風に思っています。それから製造業については、足元は造船業非常に好調という状況ではありますけれども、今まで培われてきた技術産業資産を他の産業に転換していくという動きもしっかりなされているっていう風に思っていますし、それからもう1つ九州が力を入れてきた半導体産業というところについても県内行政を含めて企業誘致をされていらっしゃるということでここの構造転換が進んでいる分野だという風に認識をしています」

にぎわい増す観光地
日銀長崎支店が2024年12月公表した県内の金融経済概況では、観光は「増加している」と判断されています。伊藤支店長は、長崎スタジアムシティの開業や、長崎と韓国ソウルを結ぶ定期航空便の運行再開、長崎を舞台としたドラマや映画が影響しているとみています。
日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「イベントであるとか、新しい施設の開業ということも起爆剤となって足元では観光が伸びているということに繋がっているんじゃないかなと。国内向けのお客さんと海外向けのお客さんと、何を求めているのか、どこまで価格を出していただけるのかというところをしっかり見極めながら差別化を図って収益に繋げていただけるということが必要かなという風に思っています」

平家達史NBC論説委員:
「テレビとかそれから映画とかで(長崎が)取り上げられたりもしましたし、スタジアムシティもできましたし、そういったものの観光への効果っていうのは、どういう風にご覧になっていますか?」
日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「長崎県・長崎市は非常に魅力のある資源が多いということです。新しいイベントを継続的に打っていく形で観光を引き続き盛り上げていただくということが必要なんじゃないかなという風に思っています」