「方程式」を使って場面に寄り添う音楽を…

自閉症のアーティスト、石村嘉成さんの半生をドラマとドキュメンタリーで描く映画「青いライオン」。さまざまな場面に寄り添う曲は、すべてNAOTOさんが作曲しています。東京藝術大学を卒業し、舞台やテレビ番組の音楽を手がけてきたNAOTOさん。映画音楽はどのように作るのでしょうか。

(NAOTOさん)
「音楽の中のこのリズムなのか、このコードの展開なのか色んな分析があるんですけど方程式を使っているだけで。これは僕が作曲家になる前、スタジオミュージシャンっていわれる仕事、デビューする前ですけど、していた時に大河ドラマだったりとか日本のドラマのすごく有名なものだったりとか、名作だといわれているもの、そういうものをお仕事としてお金をいただいて楽曲に触れる機会がずっとあったっていうのが多分僕の財産なんじゃないかなと思います」

「よく天から降りてくるみたいなのは、一切僕はないので。自分の引き出しの中から探して、これが使えるかな?っていうパーツをはめていくっていう形です」

映画の終盤、ドキュメンタリーで嘉成さんが感極まる場面では、NAOTOさんの曲が観る人の心を静かに揺さぶります。

(NAOTOさん)
「監督さんから言われたのは、ドキュメントの映画なので無理に感動する方向にだけは持って行かないで下さいって。どのシーンも言われたんですけど、僕はあのシーンがこの映画の肝だなと思ったので、そこだけはちょっとアクセル踏みました。ここは人が感性をぐっとつかまれるであろうコード進行にしてメロディーの跳躍だったり、っていうのが人の耳がそこに行くようなメロディとコードにしていますね」

(小林)
「石村嘉成さんっていう存在については、いかがですか」

(NAOTOさん)
「強い方ですね。僕があの立場だったら、ああは生きれないな。尊敬しかないですね」