歯科の進歩と、娯楽の多様化
1951年のお年寄りを見ていると、なるほど「歯が残っている」というのは重要なことだと思います。歯科医師たちがよく言うように「噛むことは生きること」なのでしょう。
また、お年寄りは隠居するもの、という意識も大きかったかもしれません。まだテレビも普及しておらず、娯楽も少なかった頃、仕事を辞めると急速に老け込んだ、というようなこともよく起きていました。

だからというべきか、このフィルムの中では「ボケ防止のためにパチンコを」とパチンコの刺激が推奨されていたりします。
平均寿命はあがったが
厚生労働省によると、1951年の平均寿命は男性60.8歳、女性64.9歳でした。これが最新のデータ(2022年)だと、男性が81.05歳、女性が87.09歳にまでのびました。
その分、我々は若い時代が長くなったのですが、ちょっと気になるのが、一人暮らしの高齢者が激増していることです。

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が2024年11月に公表したデータによると、全世帯の中で、一人暮らしをする65歳以上の高齢世帯の割合は、現在13.2%、今後も増え続け、2050年に20%を超える見通しだそうです。