TBSのアーカイブにはずいぶん珍しい白黒フィルムが残っています。これは「敬老の日」の前身「としよりの日」が制定されたときに撮られた映像なんですが、なるほどこれが60歳…。(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

最初の「としよりの日」

古いフィルムの中に残っていた1951(昭和26)年の60歳たちです。
一目見て驚きますよね。この時代は60歳でもう完全に「お年寄り」です。男も女もザ・ご老人。今とまるで違います。

還暦は文字通り「長く生きてきた」お祝いでした。現代の60歳とは全然違います。

写真のお年寄りが着ているのは、もちろん還暦祝いの「赤い頭巾と赤いちゃんちゃんこ」ですから、ぴたり60歳。はっきり記録されてないのですが、昭和26年のことですから、もしかして「かぞえで六十」かもしれません。その場合、この方々は、まだ58歳か59歳です。

彼らが生まれたのは1889(明治22)年〜1891(明治24)年というところ。大日本帝国憲法が公布され、ようやく日本が国際社会にデビューしようかというところです。

彼らが生まれた頃は明治憲法が施行された頃に当たります。(『憲法発布式』和田英作画、聖徳記念絵画館蔵)