宗教団体の票を頼るようになった背景は? 大きな転機は「京都府知事選」

教団が掲げる反共の理念に賛同の意を表明した政治家に福田赳夫氏がいます。

福田赳夫大蔵大臣(当時)
アジアに偉大なる指導者あらわる、その名は文鮮明ということである」

福田氏や安倍晋太郎氏の番記者だった政治ジャーナリスト・秋山光人さんは、福田氏が総裁選で、田中角栄氏に敗北を喫したことが宗教団体の票を頼るようになった背景にあると指摘します。

政治ジャーナリスト 秋山光人さん
「非常な金権選挙があって、集票マシーンである建設業界というのはほとんど旧田中派になびいていた。だから福田さんの政権になるまでは、ずっと冷や飯を食っていて、厳しい立場に清和会(福田派)の人は置かれていたわけですね」

Q.清和会(福田派)の議員にとっては何でも票は欲しかった?
「それは昔から今までそうじゃないですか」

統一教会の大きな転機は、1978年の京都府知事選でした。

政治家の信頼を勝ち取るべく、勝共連合が選挙支援に乗り出したのです。

28年続いていた共産党の地盤に全国の信者が集結。自民党が推薦する候補を応援しました。信者は、共産党を攻撃するビラを大量にまいたのです。

その結果、共産党候補は落選。勝共連合の組織力・集票力が政界に知れ渡ります。

彼らが爆発的な力を見せたのが、1986年の衆参ダブル選挙でした。

国際勝共連合 渡邊副会長
「中曽根政権のときの衆参ダブル選挙のときが圧倒的だったので。(選挙前に)中曽根先生とお会いし、あるいは安倍晋太郎先生とお会いして、どういうふうな選挙応援をするかというのは協議し合って動いた形ですね」

自民党と勝共連合は支援する候補者や手法まで協議していたといいます。

衆議院で300議席を獲得し、自民党圧勝に終わった選挙。

勝共連合は支援で130人を当選させたと機関誌で喧伝。政界とのパイプが新たな信者の獲得にも利用されたのです。

文鮮明氏「文鮮明先生マルスム(御言)選集」より
「(1986年の)選挙当時に日本の金で60億円以上使った。統一教会は恐ろしいです。(信者が)40人いれば1人当選させることができます」