「大したヤツ」大学時代の恩師が見た三笘のドリブル

「小さいころはボランチやトップ下をやっていたが、高校2年生からずっとサイド」でプレーする三笘。田中や森保監督が話す、ドリブル時のスピードについて意識し始めたのは大学に入ってからだという。2016年に三笘が入学した筑波大学の恩師・小井土正亮監督(44)は次のように証言する。

「自分がスピードで抜けることに気づいていなかっただけじゃないか。いざやってみたら抜けるということでドリブルを磨いていった。(当時のチームメイト)ヴィッセル神戸のDF・山川哲史(24)と毎日1対1をやっていて、同じ相手と4年間やり続けたからこそあらゆるシチュエーションでのドリブル突破が養われたのではないかと思う」

「川崎フロンターレのトップに上がれたにもかかわらず、4年後にいい状態でプロ入りするという目的を持って進学の道を選んだ三笘は意志の強さのレベルが違う。彼の凄いところはちゃんと4年間ぶれずにやり続けたこと。元陸上選手で110mHの日本記録保持者だった谷川聡准教授(50)に指導を受けに行ったりと、自分なりにアンテナをはり、行動を起こせる、“大したヤツ”だなと思います」

大学時代の日々について三笘もこう振り返る。

「特に筋力トレーニングをやってスピードが上がったのは事実。よく失敗したけど、スピードを上げてドリブルを仕掛けてみるというのは何度もやって、沢山失敗した。大学にいった理由に“チャレンジする環境があったこと”もあるので非常に良かった。技術や間合いなど、スピードを上げてみないとわからないこともあった。そこを徐々に扱えるようになって、スピードを上げるタイミングやどこを見てやればいいのかが少しずつわかってきたので、スピードを上げた状態での技術を磨いて、良かったと思っている」

最後に「三笘薫にとってドリブルとは?」と尋ねると、三笘は「ドリブルはやっぱり、ゴールを奪うための1つの武器であって自分のプレーの象徴」と言い切った。

カタールW杯まで残り約2か月。三笘が大学時代に磨いた「スピードを上げて仕掛ける」ドリブルを世界の大舞台で見られる日が迫っている。

【キリンチャレンジカップ2022】
27日(火) 日本時間20:55~ 対エクアドル (ドイツ・デュッセルドルフ)