新型コロナは外国人が持ち込んだ!?論争に決着がつかないウイルスの起源
新型コロナウイルスはどこからきたのか?12月3日、アメリカ議会の下院に設置された新型コロナに関する特別小委員会が最終報告書を公表した。「ウイルスは武漢の研究所から流出した可能性が高い」と結論付けていた。
取材班は武漢の繁華街で、新型コロナの起源について聞いてみた。
武漢に観光に来た中国人
「コロナの起源についてはよく分かりませんが 海外から来たと信じています」
武漢市民
「新型コロナは外国人が持って来たに違いありません」
多くの中国人が、武漢がウイルスの起源だとする説を否定した。
中国の外務省はアメリカの報告書についてすぐに反論。「根拠がないなかで中国に濡れ衣を着せようとするものだ」と武漢の研究所流出説を強く否定した。新型コロナの起源をめぐる論争は5年経ったいまも結論が出ていない。
「苦しみを乗り越えることができない」新型コロナで娘を亡くした母親の思い
武漢で人気の観光地「江漢路歩行者天国」。中国で最も長い歩行者天国といわれている。取材班が訪れた日は観光や食べ歩きを楽しむ人たちで賑わっていた。新型コロナが流行していたときは閑散としていたものの、いまはすっかりもとの様子に戻ったという。

しかし、新型コロナで人生が変わってしまった人もいる。武漢市に住んでいた楊敏さん(54)。2020年2月に24歳の娘を新型コロナで亡くした。今回、楊さんにインタビューを行った。
新型コロナで娘を亡くした 楊敏さん(54)
「娘は私の全てでした。娘はカニなど海鮮が大好きで食べることと遊ぶことが好きな子でした。娘は2020年1月19日ごろに発熱しました。なかなか高熱が下がることはありませんでした」
1月23日に武漢はロックダウン(都市封鎖)された。医師や看護師も混乱し誰も娘の治療にあたる人はいなくなったという。
新型コロナで娘を亡くした 楊敏さん
「食べるものも飲むものも自分で確保しなければならなくなりました。やがて娘は『ママ、身体が痛い。息ができない』と言って苦しむようになりました。29日に娘は集中治療室に送られました。私はなにもすることができませんでした」
そして2月6日に娘は亡くなったという。

新型コロナで娘を亡くした 楊敏さん
「これは一生忘れることができない悪夢です。いまでもスマホを見るとき、娘の写真が出てくると思い出してしまう。そしてとても辛いのです。この苦しみを乗り越えることはできないようです」