「ワクチンは体に証拠を残さない」

遺体は70代前半の女性で、生前は基礎疾患もなく、健康で元気な人だったという。様々な検査もしたが、決め手となる死因は見当たらない。しかし、唯一気がかりがあったという。それは、前日にコロナワクチンを接種していたことだった。当時、ワクチンに関して知識が脆弱だった私は「因果関係はわからないのですか?」と質問すると、耳を疑うような言葉が返ってきた。

「毒物は体に証拠を残すが、ワクチンは体に証拠を残さない」

接種後に、様々な副反応で長期体調不良になり今なお社会復帰できない人、大切な人を失い、深い悲しみを抱えている遺族ら100人を超える人たちを取材してきた。彼らを苦しめているのが、コロナワクチンが原因かどうかの決定的な証拠だ。

国の副反応疑いは3万7000件を超えていて、死亡疑いは2200件以上と多数報告されているが、死亡とワクチンの因果関係が認められている事例は、これまでで僅か2件しかない。その他の99%は評価不能、つまり「わからない」のだ。国は、ワクチン接種後の副反応の調査もしているし、治療法の研究もしていると胸を張るが、状況を変えるような成果は見えていない。

やはり、ワクチン接種を主体的に進めてきた国が、自分たちの非を認めるような調査はできないのではないか?遺族らからは、そのような言葉も聞かれた。国の対応には限界があるのか。