今週は日米で金融政策を決める会合が開催され、アメリカは利下げ、日本は利上げ見送りという結果になり、市場が荒れた。

アメリカ 0.25%利下げ「新たな局面に入った」

FRB パウエル議長:
既に1%の利下げをしたので、利下げの余地はかなり小さくなっている。ここから先は新たな局面に入ったのでさらなる利下げは慎重に判断する。景気後退を回避したのは明らかで2024年の経済成長は堅調だ。

アメリカの中央銀行にあたる、FRB(連邦準備制度理事会)は現在、4.75%を上限としている政策金利を0.25%引き下げ、4.5%を上限とすることを決め、3会合連続の利下げとなった。

アメリカ 利下げ年2回に? 高まるインフレ懸念

また、FRBは、2025年は1年間で2回、利下げを行うという見通しを公表した。9月に示した前回の見通しでは、1年間に4回の利下げを見込んでいたが、根強いインフレが続いている状況を踏まえて利下げを急がない姿勢に転換した。

FRB パウエル議長:
インフレのリスクと不透明性により、2025年もインフレが高くなると予想している。先行きが不確実なら、少しペースを落とすのは常識的な考え方だ。

この決定にアメリカの市場関係者は…

米資産運用会社 マイケル・ランズバーグ氏:
2025年の利下げは、必ずしも必要ではなく「ゼロ回」と予想する。インフレは2025年も上昇するだろう。9%とはいかなくてもFRBの望みとは逆方向に進んでいる。その環境では利下げはできないだろう。

アメリカ 利下げベース鈍化か 株価大幅下落 円安進む

利下げペースが鈍化するとの見通しを受け、12月18日のニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価が急落し、下げ幅は1100ドルを超えた。この日、ダウ平均株価の下落は、50年ぶりに10営業日連続となった。

また、アメリカの長期金利は約7か月ぶりの高い水準まで上昇。外国為替市場では、日本とアメリカの金利差の拡大が意識されて円安が進んだ。