「ヒデキマツイ」を迎え入れ決起集会

そして、試合前夜。イチローは、この日ニューヨークから帰国する 松井を、松坂とともに待っていた。

イチロー:来るよ。足音が聞こえてくるね。ガシャーン!ガシャーン!ガシャーン!ガシャーン!て。・・・(登場して)いぇーーい!

松井:どうも。どうも。

イチロー:ヒデキマツイ!

松井:なんでそんなテンション高いんですか?(笑)

イチロー:元気?

松井:元気ですよ。

イチロー:ダイスケマツザカ。

松坂大輔:お願いします。

松井:元気そうじゃん。

イチロー:いやー、よく来てくれたね。

松井:お誘いありがとうございます。

イチロー:「KOBE CHIBEN」の愉快な仲間たち。

一同:お願いします。

イチロー:松井選手です。

松井:お世話になります。よろしくお願いします。ありがとうございます。

「人生で一番短い短パン」

イチロー:今日ね、会食だし決起集会だから、できるだけカジュアルに来てって言って、僕はこんなんですわ。短パン。僕の人生で一番短い短パン、Tシャツ(笑)

松井:私もTシャツですよ(笑)

イチロー:「私」とかいう人だから(笑)いや嬉しいじゃないですか。今日はもう記念すべき。

松井:食事するの初めてですよね?

イチロー:初めて。(松井を)どう呼ぼうかと。大輔とさ、昨日。

松井:いや、「松井」でいいじゃないですか。

イチロー:(改めて)いやぁ久しぶりに・・・10年くらいでしょ。松井っていうのもなんか、なんかしっくりこないなって。大輔なんか「ヒデキ」でいいじゃないですかって。それも違うよな。それで、「ヒデキマツイ」で迎え入れました。

松井:イチローさんの呼びやすいように。

イチロー:そうですか。

年齢は、イチローがひとつ上。二人とも中学時代から注目され、高校で、イチローはピッチャーとして、松井は甲子園常連校(石川・星稜高)の4番打者として、互いの存在を意識し始めた。

イチロー:うちの寮にね、星稜が(来て)。交流試合やってたから。僕らが行ったり星稜が来たり。あれ(松井が)2年の頃だから、夏の前。

松井:イチローさんが、3年でした。

イチロー:そうだよね。だから名電の寮に来て、話してるんですよ。一緒にシャワーも入ってるんですよ。僕は3年生で練習しないから、一番風呂なんですよ。その前に(松井が)入っとったんですよ。

(一同爆笑)

イチロー:おい!おい!ってなった。でもまぁ、お客様だから。

松井:ゲスト、ゲストだから(笑)

イチロー:ゲスト。まあ、しょうがない。ヒデキ・マツイだし。

松井:中学の時もお互い勝ったら対戦だったんですよ。

イチロー:そうだね。

松井:すごいピッチャーがいるって噂になってた。 負けちゃってんだもん。俺は勝った。ピッチャー・イチローと打者・松井はやってないんですよ。

イチロー:そうだね。