新型コロナの第7波は感染者が減り始めていますが、今も病床の稼働率が5割を超える東京都の医療施設があります。特徴的な運用から第8波への備えとして全国のモデルになると言われている施設を取材しました。
スタッフ
「こちらが患者さんが生活するレッドゾーン内です」
東京・世田谷区にある医療施設。7月から東京都が臨時に運用しています。
最大の特徴は入所者の年齢です。多くが80代や90代で、車いすの人や認知症を患っている人も。コロナの症状は軽症や中等症で、治療と同時に介護が必要な人たちです。
東京都臨時の医療施設 大坪由里子医師
「中には100歳を超えてる方もいらっしゃるような状態で、ご自宅からいらっしゃる方、それから施設ですね特別養護老人ホームなど、クラスターが発生した方々がいらっしゃるっていう例もあります」
この夏の第7波では高齢者施設のクラスターが多発し、過去最多を更新しました。
この医療施設では高齢者施設から積極的に患者を受け入れ、病床の稼働率は多い時で7割、今も5割を超えています。
その狙いとは…
東京都臨時の医療施設 大坪由里子医師
「なるべく早く隔離をして、施設に入れることで、クラスターを早く収束させることができるんじゃないかっていうのも1つの狙い。特に職員と患者さんや利用者さんは、介護が必要な方だとやっぱり密接に接することが多いので、世間一般の方が考えるよりも(高齢者は)ずっとずっとやっぱり感染に弱くて、近くにいるとうつってしまう」
この施設には医師や看護師だけでなく介護職のスタッフが常駐。実はこうした介護には人手がかかることから、通常のコロナ病床に入院できないことが多いといいます。
そして、もうひとつの特徴は…
全てのフロアをレッドゾーン=汚染区域とすることで、患者が個室に隔離されずいつもの生活と同じように過ごすことができます。
スタッフ
「おいしそうですね」
患者
「お魚だいすき」
食事はそれぞれの患者に合わせて、食べやすいものが用意されています。
理学療法士
「なるべく大股で。そうそう」
感染がきっかけで持病が悪化する患者も多く、元の生活に戻れるよう専門のスタッフがサポートしながらリハビリをします。
この臨時医療施設は全国に先駆けて東京都が設置し、国は高齢者の感染拡大を防ぐ取り組みだとして全国の自治体に通知しました。
東京都臨時の医療施設 大坪由里子医師
「(入所して)隔離することによって、その患者さん自身の医療的な支援が受けられるっていう安心が1つ。残されたまだ感染していない方々の安全が守られるっていうことが1つ。あとは、(クラスターが起きた施設の)職員の方々の負担が減るということもあります」
東京都は次の第8波に備えて、現在3か所ある臨時医療施設を12月にさらに増やすとしています。
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