冬眠していると思われるこの時期に、目撃情報です。
雪が積もる長野県高山村の県道で、活発に動き回るクマの様子が撮影されました。


高山村の山田牧場へとつながる県道で、12月9日に撮影されたのが…。

「クマです!」

積もった雪をかきわけ、道路を横切るクマ。

体長は1メートル足らず。

撮影した女性は、車の中からカメラを回し続けます。

「登ってる~」

3メートル以上ある落石防止のフェンスを、一歩一歩、よじ登ります。

「おっこっちゃったらどうしよう」
「どーするの、そこから?」

てっぺんにたどり着いたクマは、フェンスの上を綱渡り!!

「降りようとしている、向こうに…」
「おった!おった!(落ちた)」

フェンスを乗り越えたクマは、山に帰っていきました。

雪の時期なのに、活発に動き回るクマ。

冬眠はしないのでしょうか?

県環境保全研究所 黒江美紗子(くろえみさこ)研究員:
「12月は徐々にクマが冬眠をはじめる時期なんですけど、まだ冬眠していないクマもいますので珍しいことではない」

クマの生態に詳しい県環境保全研究所の黒江美紗子研究員によりますと、クマが冬眠に入る時期は餌の状況や気温など複合的な要因で異なります。

黒江研究員:
「冬眠をする前に、十分な餌をとって十分な脂肪を蓄積できたかが大きい」

雪が降っても全てのクマが冬眠するわけではないため、冬もクマへの警戒は必要です。

さらに。

黒江研究員:
「そもそもクマは冬眠中、穴から出て他の穴に移動することもありますので、12月中は注意が必要かと思います」

撮影した女性は通勤でこの道をたびたび利用するものの、この時期にクマを見かけたのは初めてだということです。

この日は、クマのほかに国の天然記念物、カモシカにも遭遇したということで、県では、積雪期も山に入る際はクマなどの野生動物に十分注意するよう呼びかけています。