父親の訴えを受け逮捕 被告「好意を抱かれている自覚あった」

 Aさんは生まれてすぐに臓器移植手術を受けていて、今も拒絶反応を抑える免疫抑制剤を飲んでいるため、免疫力が著しく低い。Aさんはホテルでの性的暴行が原因で喉に炎症を起こして呼吸困難に陥り、一時、意識不明となった。Aさんの父親(48)は、病院で目を覚ました時の娘の様子が忘れられない。

 (Aさんの父親)「本人の様子がもう本当に泣きじゃくって、取り乱していた。『怖い怖い』っていうような異様な状況になって、どうしたのかなっていうことで本人から話を聞き出しました。『性被害を受けた』っていうことを本人の口から聞いたことで発覚しました」

 父親の訴えを受け、警察は今年7月に上野被告を逮捕。大阪府教育委員会は上野被告を懲戒免職処分とした。そして今年10月、大阪地裁堺支部で開かれた初公判。Aさんに対する不同意わいせつ罪や不同意性交罪に問われた上野被告は起訴内容を認めた上で、犯行に至った理由をこう述べた。
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 (上野翔太被告)「好意を抱かれているという自覚があった。性交ができる関係だということに舞い上がった」

 上野被告は学校でのやり取りやSNSでの会話から、Aさんから「好意」を感じ、その「好意」を性行為ができる関係だと思い込んだと話した。

 性被害者の支援を行う「NPO法人しあわせなみだ」の中野宏美理事は、今回の犯行は一般的にも当然許されない上、知能が小学校低学年程度のAさんへの対応は支援学校の教育者としてありえないと非難する。
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 (NPO法人しあわせなみだ 中野宏美理事)「(Aさんの)知的レベルを考えたときに、小学校低学年ということを考えると、その『好き』というところには、恋愛であったり性的な意図はないということは容易に想像ができるのでは」