災害が起きた時、避難に時間がかかる高齢者などを楽に背負って一緒に逃げられる器具が開発されました。その試作品が静岡県伊豆市の特別養護老人ホームに寄贈され、体験会が開かれました。
<下田支局 柴田寛人記者>
「それでは、しょってみたいと思います。せ~の、よいしょ。お、お、お。これだったら、長距離の避難でもいけそうです。歩けそうです」
日本古来の運搬道具「背負子」から発想を得て開発された「ショイリア」。富山大学芸術文化学部が研究し、東京の自動車部品メーカー・森六テクノロジーが実用化しました。
床に器具を置き、背負われる人はまたいで立ちます。次に、周りの人がテコの原理で持ち上げます。運ぶ人はリュックサックを背負うように背中を当て、腰を上げて歩きます。
<背負った参加者>
「これなら何とか、救出できると思う。腰に当てれば、背中に乗っている方も前に倒してくれて、自分も前に行けば、歩ける」
ポイントはお尻の上にある「仙骨」という骨です。背負われる人の重心が「仙骨」の上に来ると背負う人の負担が軽くなります。
<森六テクノロジー開発部 岡本大輔さん>
「例えばパットであったり、ラウンドした形状が人の背中に合うような形。背負われる人も、ラウンドした形になっているんで、(体を)預けやすいような形状になっています」
富山大学が試作したときは、重さが14キロありましたが、自動車部品の軽量化の技術を使うことで「6キロ」まで軽くなりました。
NPO法人「土肥の暮らしを支え合う会きずな」の勝呂信正理事長は、「普段から慣れてないと、これを使いなさいとやっても、うまくいかない。活用の方法等を広報していきたい」としました。
高齢化が進むなか、一刻も早く避難が必要とき、この器具が頼りになりそうです。














