タンパク質を食べる習性を利用して「骨格標本作り」も

(東洋産業 大野竜徳さん)
「毛や鱗、乾燥した干し肉状態のところだけをきれいに食べます。カツオブシムシの仲間で、もっとバリバリ食べるもの(ハラジロカツオブシムシやトビカツオブシムシなど)は、その習性を利用して小動物の骨格標本の作製に使われてきた歴史があります」

【画像②】こんな風に白い壁にとまっていることも

(東洋産業 大野さん)
「たくさんの種類がいる中で、ほぼヒメマルカツオブシムシ【画像②】だけが植物質も食べることができ、飢餓にも強いので、人間の生活に溶け込んでいます。ときどきヒメカツオブシムシというのも出ますね」

「私たちの目に留まらず、食べ物もたくさんあればほかにも出現してくることがあります。カツオブシムシはもともとは鳥や獣の巣でもよく見つかります」

「変わったものだと、カマキリタマゴカツオブシムシというカマキリの卵を食い尽くすものがいたり、幼虫の画像しかないので参考にはならないと思いますが、姿が全然カツオブシムシっぽくない、マサカカツオブシムシという、まさかこれが!みたいなものもいます」

「その名も『マサカカツオブシムシ』。カツオブシムシの仲間の成虫は丸っこい小判型をしているものが多いのです。まず一般的なカツオブシムシがこちら【画像③】です」

【画像③】ヒメマルカツオブシムシの成虫

「マサカカツオブシムシの成虫はまるで小さなカミキリムシのような形!…をしているのがオスで、メスには翅がなく、毛虫のような幼虫が変身に失敗したような不思議な形をしています」