『目はえぐられ…』拷問は72種類 生存者たちの証言
アサド政権下の刑務所で、いったい何が起きていたのか。私たちは4年前から証言を集め始めました。
2022年7月、スペイン・マドリードのアトリエで絵を描く男性。
シリア人アーティストのナジャフさんは2011年、シリアの首都ダマスカスでデモに参加したことで、拘束されました。

投獄された先で待っていたのは、壮絶な拷問でした。
拘束されていた ナジャフさん
「電気ショックによる拷問が行われていた」
家族が全財産を金に換え、看守を買収したことで何とか救出されたナジャフさん。凄惨な記憶をたどりながら、当時の様子を絵に描き起こし、証言活動を続けています。
拷問によって死亡した仲間を運ぶ役割もさせられました。

ナジャフさん
「仲間の遺体を運ぶとき、遺体は大きく変形しているから、この人物が私の親戚の一人か、友人の一人かということを考えなくてはいけない」
なかでも壮絶だったのが、椅子を使った拷問でした。

ナジャフさん
「拷問で亡くなった人たちの多くは、ドイツの椅子と呼ばれている拷問によって亡くなった。他にも頭を殴打したり首を折ったり。取調官が首を折るんです。この拷問は音はせず、椅子の下にいる誰かが窒息して、足が地面にぶつかる音だけが聞こえた」

人権団体が集めた証言によると、シリアの極秘刑務所で行われた拷問は、分かっているだけで実に72種類あったといいます。