被害は松本市でも確認されています。

今井恵みの里農産物加工所 犬飼繁所長:
「見ていただくと一目瞭然だが実が割れてしまっている。結構(キズが)深いし割れたところからカビが出たり腐るのが早いので加工にも急を要する」

この施設では、20キロほどの少量から加工を受け付けています。

傷んだ部分を手作業で取り除き、ジュースやジャム、ドライフルーツのほか直売所で人気のアップルパイなどに加工します。

ただ、今年は、加工にすら回せないリンゴが多かったという声も聞くといいます。

犬飼繁所長:
「ひどいところでは収穫してカゴに入れることもせず、そのまま下(地面)に落としてリンゴの赤いじゅうたんみたいになっちゃうとか。今年は結構(実が)なっていたので期待する気持ちも大きかったと思うが、最後の雨が降ってバーッと割れてしまった。農家の作った生産物を生かし切る砦だと思うので、そういう部分でうちができることを探しながらやっていく」

「ふじ」の胴割れは、なぜ起きたのか。

県農政部の原啓一郎さんは、秋になっても続いた高温と大雨の影響だと推測します。

「11月の頭も非常に気温が高かったということと、11月の頭にちょっと特異的にかなり雨が多い日があって、それで急成長しているところへ雨の水を吸って、さらに果物の表面が硬くなったりしているところへ、一気に水を吸って膨張してパチンて壊れたというそんなイメージかなと思います」

「ふじ」は、11月上旬には成長の早さが緩みますが、今年は高温が続いたため、実は成長し続けました。

そこに11月上旬の大雨でリンゴが一気に水を吸って膨張し、破裂したというのです。

県では、すでに調査を始めていますが、被害は気温が比較的高い場所で確認されているということです。

県農政部の原啓一郎さん:
「ここまでひどくたくさんあったというのは、おそらく初めてじゃないかと思われます」