仕かけたのが福岡さんでした。もともと、関東でシステムエンジニアの仕事をしていましたが、2022年4月、家業の店を継ぐためにUターン。そして、店先に立った時に新たな客層を開拓するために目をつけたのが、JAアオレンが生産しているリンゴジュース、あおもりねぶたの密閉絞りとレギュラータイプでした。


店では、祖父が切り盛りしていた30年ほど前から扱っていて、福岡さんも子供の頃から飲んでいた商品です。

※福直フルーツ3代目 福岡哲さん
「(評価しているのは)自分は味ですね。飲んで『おわぁっ』となる。商品の力・パワー。(店で)インパクトが一番あるものは、ねぶたジュース」


店先では、手書きのイラストでアピール。さらに、Uターンしてから始めたツイッターでも発信しました。写真や動画を投稿しているうちに、徐々に「いいね!」の数も増えていきました。その効果は大きく、いまではリンゴジュース目当ての客ができるほどに!


※購入客
「twitterで見て、なんで青森のジュースが広島で売っているのかという話に興味があって、買って飲んでみたら、はまった。香りが、ほかのリンゴジュースと比べたらずっといい」


販売本数は、福岡さんが戻る前は年間で600本程度でしたが、この5か月間でその4倍以上、約2700本売りました。なかには、数十本単位で買う人も。


※福直フルーツ3代目 福岡哲さん
「買っていく人に『なんで箱で買われるんですか』というと、『お客さんが来た時に出すのにちょうどいい』。もらったお客さんが『おいしいからうちも』といって買っていく。その連鎖がどんどん起きている。一番驚いているのは私たちですね」


製造元である弘前市のJAアオレンでは、味に惚れ込んだ福岡さんが広島県で地道に販路を拡大していることに驚きと感謝の言葉を口にします。


※JAアオレン営業課 橋本雄太課長
「広島でのレモン・ミカン。そういった部分にリンゴジュースが同じようにランナップされているはの嬉しい。商品がきっかけでつながりが生まれるのは我々もうれしいと思いますし、これからもより良い商品を作っていかないといけないと考えさせられました」


福岡さんの店の看板商品の一つとなった青森県産リンゴジュース。8月には、あらためて、販売に力を入れようと福岡さんが決意を固める出来事がありました。それが、記録的な大雨による津軽地方のリンゴ園の大規模な冠水です。


※福直フルーツ3代目 福岡哲さん
「今回の大雨で青森の生産者が大変な思いをしているのを見てからこういう気持ちが強まった。『本当においしかったよ』『これじゃなきゃいけないんだ』という言葉は、自分たちが受け取るよりも生産者が受け取るべき。青森県の生産者たちにお届けできればと。『遠く離れた尾道市で人気になっていますよ』と」


青森県が誇る特産品はいま、福岡さんを通して広島県尾道市で地域の人に深く根差し、絆を育もうとしています。

※近藤志生里キャスター
「広島の隣の岡山県出身の私は、地元にいるときはみかん・ゆず・レモンなど柑橘系になじみがあった。青森に来てリンゴジュースを飲んだ時は驚きました」

※河村傭市キャスター
「青森ではリンゴジュースはお中元・お歳暮に贈るなど身近な存在です。それが西日本では、まったく異なる受け止め方をされるのは、販路拡大の可能性を感じさせました」