大火災から5年半を経て復活したフランスのノートルダム大聖堂。火災をきっかけに思わぬ発見がありました。そして、大聖堂を40年以上見守ってきた男性の思いは。
フランス・パリのノートルダム大聖堂。大司教が扉を杖で叩き、荘厳な音楽が響くなか、扉が開けられます。
大聖堂は2019年に起きた大規模火災で大きな被害を受けましたが、5年半を経て修復はほぼ完了し、7日、再開を記念する式典が行われ、各国の首脳らも参加しました。
火災当日、あまりの衝撃でその場を離れられなかった男性がいます。この地に住んで40年あまりになるゴドメールさん。
約40年パリに住む ゴドメールさん
「この景色が大好きで、ここに住めて本当に幸せです。見るだけで心が安らぎ、本当に落ち着ける私の拠り所です」
ノートルダム大聖堂は、まさに生活の一部だと話すゴドメールさん。大聖堂から炎が上がったあの日、瞬く間に燃え広がり、シンボルだった尖塔が崩れ落ちる様子を目の当たりにしました。
ゴドメールさん
「毎日見ている私の大聖堂が…本当に信じられませんでした」
当時、周辺住民は避難するよう呼びかけられましたが、ゴドメールさんはその場を離れることができなかったといいます。
ゴドメールさん
「私は避難要請に応じず、ギリギリまで残ろうと決心しました。撮影しないといけないと思いました」
ゴドメールさんが撮影した映像です。当初は尖塔のあたりを中心に燃えていましたが、15分も経つと周りの屋根にも燃え広がり、熱風を感じるほどだったといいます。
出火から1時間ほどで尖塔は失われました。
一方、現場では懸命な消火活動が続けられ、大聖堂の内部の被害はステンドグラスはほぼ残るなど、最小限に食い止められました。
火災翌日からその内部に入ったのは考古学者たち。修復工事の重い足場が組まれる前に、地下を調べるためです。
調査では、彫刻や棺などが次々と発見されました。
考古学者 エレーヌ・シヴァルリーさん
「驚いたのは、床を剝がしただけですぐに何かを発見できたことです」
見つかった装飾品などの数は、1000点以上。およそ800年前から地下で眠っていたと思われ、当時そのままの色をほぼ留めていました。
発掘調査を指揮 考古学者 クリストフ・ベーニエーさん
「13世紀の彫刻の断片がいくつか見つかれば私たちは大満足ですが、1000個以上見つかるなんて信じられないことです。今回の調査は、ノートルダムの歴史について新しい発見につながります」
火災から5年半。尖塔は復元され、内部の天井や壁は以前よりも美しくなり、ノートルダム大聖堂は荘厳な姿を取り戻しました。
ゴドメールさんは、「足場が外され、すべて元通りの姿になるのが待ちきれない」と大聖堂を見つめています。
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