殺害したのは近所に住む男 遺族への謝罪は一度もなく 賠償も払われず

逮捕されたのは近所に住んでいた中村桜洲受刑者(32)。殺人罪などで懲役16年の実刑判決を受け服役している。事件からまもなく10年が経つが中村受刑者から森田さんへの謝罪は一度も無い。民事裁判で認められた約4400万円の賠償についても1円たりとも支払われていないという。

(森田悦雄さん)「直接都史君のことをみているわけです。あれだけむごいことをして、そんな涼しい顔で…」「地に頭をつけてすりつけてでも謝るのが普通やって。自分がそれだけ大変なことをしたという自覚があまりないかなと」

森田さんはこれまでの民事裁判での費用などおよそ40万円を約6年かけ分割で支払い続け、ようやく去年末に支払いが終わった。しかし新たな不安が残っている。このまま支払いがされなければ、10年で時効を迎えるため、森田さんが再び提訴しなければならないからだ。

日本弁護士連合会が2018年に行った調査では、加害者に賠償を求めたケースで、裁判などで認められた。賠償額のうち実際に被害者に支払われた金額は、殺人事件で13.3%で、ほとんど支払われていないのが現状だ。