なぜ日本とここまで違う? ドイツでは米軍が費用負担
汚染された側が費用を負担する日本とは、対照的な国があります。
記者
「ここドイツでも、アメリカ軍基地の周辺に住む人たちがPFAS汚染の問題に苦しんできました」

ドイツ西部にある、シュパングダーレム基地。アメリカ空軍が駐留しています。
基地の横に住むシュナイダーさんは、長年PFASの問題と戦ってきました。

基地の横に住むシュナイダーさん
「この池には大きなコイもいた。貴重な種類の魚もいた」
ところが10年ほど前、魚釣りは禁止されました。池の水が、PFASに汚染されていることが判明したのです。
基地の横に住むシュナイダーさん
「これは1980年代後半に撮影したもの」

基地で行われていた消火活動の訓練映像を見せるシュナイダーさん。泡消火剤にPFASが含まれていました。住民の働きかけもあり、地元当局や米軍による調査が行われ、汚染源が基地だと特定されました。

地元自治体は、汚染された下水からPFASを除去する必要がありましたが、その費用としてドイツ連邦から46万ユーロ(2017年のレートで約5800万円)が支払われました。そのうち75%を負担したのは米軍です。
基地の横に住むシュナイダーさん
「高濃度のPFAS汚染物質を焼却して、廃棄しなければならなかった。このための費用を自治体は返してもらおうとしたのだ。小さな自治体にとっては米軍を相手に大きなチャレンジだったが、下水料金を安定的に保つために、住民にとっても大きな助けになったと思う」

こうした対策が取られたのはなぜなのか。根拠となっているのがNATO地位協定です。
ドイツがアメリカなどと結ぶNATO地位協定の補足協定には、「国内法の原則適用」が明記されています。汚染の除去についても、汚染者が負担するという原則が米軍にも適用されているのです。

専修大学 森啓輔 准教授
「もし米軍が(ドイツの)提供区域の基地の中で環境汚染をした場合に、ドイツ国内の環境法をしっかり守って、自ら汚染を除去しなさいということを求めることができる。国内の環境行政と協力しながら、当該汚染に対してアプローチしていくというふうになっていく」
ただ、汚染された水は基地から周辺地域に排出され続けていて、シュナイダーさんは「対策は不十分」だと指摘します。
基地の横に住むシュナイダーさん
「軍による環境への負担はなくてもいいはずだ。環境汚染をしないよう米軍に圧力をかけるためには、軍が放出する物質を探さないといけない。私たちは諦めてはいけない」














