沖縄・米軍基地周辺から高濃度PFAS 意図的な放出も

宜野湾市にある湧水「喜友名泉(チュンナーガー)」。県の調査で高濃度のPFASが検出されました。国の暫定目標値の44倍です。

11月、この場所を訪れたのはマルコス・オレリャーナ氏。国連から任命を受け、人権に関する調査や報告などを行う特別報告者です。

元農家 宮城優さん
「私は先祖代々、ここで田芋を生産していた。人々から『こんな所で人が口にする食べ物を作っていいのか』と。ここを汚したのは何なのか」

宜野湾ちゅら水会 町田直美さん
「私たちがここでずっと住み続けたいという権利を、子どもたちも含めて奪われたと思っています」

国連特別報告者 マルコス・オレリャーナ氏
「これらは非常に重要で、皆さんの言葉を国連総会に届けるための大切な材料となります」

湧水近くに広がるのが、普天間基地です。

2020年、基地周辺の川には泡が浮かんでいました。米軍の消火訓練で使われる泡消火剤で、PFASが含まれています。基地からの泡消火剤などの流出は2016年以降、少なくとも5回起きています。

記者
「PFOSを含む汚染水を、下水道へ流し込む作業が行われています」

格納庫の貯水槽とみられる施設には黄色いポンプ車が横付けされており、中には、消火訓練で生じたPFASの汚水が保管されていました。それを、公共の下水道に放出したのです。

沖縄県 玉城デニー 知事(2021年8月)
「米側が一方的に放出したことは、非常に激しい怒りを覚える」

米軍は、汚水を処理してPFASの濃度を下げたと説明していました。しかし、放出直後に基地周辺の下水から検出されたのは、国の暫定目標値の13倍以上のPFAS。

日本政府はさらなる汚水の放出を避けるため、米軍側と協議を行いました。その結果…

岸信夫 防衛大臣(2021年9月当時)
「防衛省が水を引き取り、適切に処分すること。日本側の費用負担で行います」

日本側が、残った汚水を引き取ることが決まりました。

汚水の処理費用に加え、格納庫の補修費用も日本側が肩代わりすることに。合わせて5億8700万円を日本側が負担しました。

飲み水への影響も深刻です。水道水の水源である川にPFASが混入していることが明らかになってから、まもなく9年。

沖縄県の担当者
「大工廻川でも非常に高い濃度のPFOSが確認されて、比謝川のポンプ場、取水する地点でも高い濃度を確認しました」

汚染源を特定するため、県は嘉手納基地への立ち入り調査を米軍に求め続けていますが、未だに実現していません。