カリブ海などに生息しているクラゲ「シンブルジェリー」の特別展示が、長崎市の長崎ペンギン水族館で始まりました。日本では山形県の加茂水族館でしかみることができないというこのクラゲ。その生態は謎に包まれており見た目から別名「カヌレクラゲ」とも呼ばれています。

大人でも「小指の第1関節ほど」の大きさしかない、小さな小さなクラゲ「シンブルジェリー」。

透明の膜の中に見える茶色い花のつぼみのような見た目が、クリスマススイーツとしても親しまれる焼菓子「カヌレ」にも見えることから、別名「カヌレクラゲ」とも呼ばれています。

佐賀から来た女性:
「チロルチョコみたいだなと思っていたんですが、カヌレだったんだなと。かわいいです。初めて見られて嬉しいです」

自然界ではカリブ海やメキシコ湾に生息しているため、日本ではクラゲの種類が世界最大級の山形県の加茂水族館でしか育てられていません。

クラゲの展示にも力を入れている長崎ペンギン水族館では、色々な種類のクラゲを知ってもらうため加茂水族館に相談を持ち掛け、およそ1年かけてシンブルジェリーの特別展示を実現させました。

長崎ペンギン水族館飼育展示課魚類担当 岡部敬斗さん:
「見た目がかわいく、貴重なクラゲ。カヌレのようなシンブルジェリーを見ていただいてクリスマスの気分を味わってほしいです」

長崎ペンギン水族館の岡部係員によりますと、「カヌレ」のように見える茶色の部分は「褐虫藻」というプランクトン!

シンブルジェリーは体の中のプランクトンと共生しており、エビなどを食べるほか、褐虫藻が光合成で作り出した栄養をもらって生きているそうです。傘を開いたり閉じたりする拍動が心臓の役割を担い、全身に栄養を送っています。

頭の部分にみえる三日月状の黄色い模様は生殖腺。
その真ん中にあるのが口。
体の95%~97%は水分です。

繁殖形態や寿命などはまだ研究段階で、その生態は多くの謎に包まれています。

長崎ペンギン水族館のシンブルジェリー特別展示は、12月25日まで楽しむことができます。