手向けられた花に見た気持ちのずれ
「信じてみよう」。そう思い始めていましたが、刑務所の訪問から1か月後の命日。事故が起きた現場には、仮出所した加害者からの花が手向けられていました。

樹里さん
「確かに、紫と白だから…」
“命日には両親が好きな紫と白の花を手向けてほしい”
これも、制度を通して樹里さんたちが加害者に伝えていたことでした。
どのような気持ちで花を手向けたのか。加害者の男性は、JNNの取材にこう答えました。
加害者からの手紙
「16年経った現在でも深い後悔と反省の思いを込め故人の冥福をお祈りしました。遺族の気持ちを理解し、取り返しのつかない深い後悔を抱きました」
ところが、花が手向けられていたのは、“加害者の車が停まっていた場所"。樹里さんたちが望んだ“両親が亡くなった場所”とは、約40メートル離れていました。

樹里さん
「気持ちがすれ違ってるし、ずれてる気がして。小さな違いかもしれないけど…」
小さな違いから見える、気持ちのずれ。それは樹里さんたちに届いた手紙にもみられました。“仕事のため、運転免許の再取得を考えている”というのです。

樹里さん
「仕方のないことは分かっているんですけど、本心を言えば車がないところで生きる選択も出来たと思う。やっぱり甘いっていう気持ちが強くあります」
樹里さんは出所したあとも手紙などでやりとりを続けたいと伝えていましたが、男性は出所後の住所を明かさず、連絡が途絶えてしまいました。

樹里さん
「私たちなりに被害者として罪と向き合おうとしても意味がなかった。こんなにつらいことってない。逃げるでもなく、怒るでもなく、向き合おうとしている被害者がいるのに、そこをすり抜けようとしたことは、私にとってはとてもショックだった」
悩みながらも、加害者と向き合った樹里さん。望んでいた反応が返ってこないことも多く、深く傷つきました。
しかし、その辛い経験をしても「意義はあった」と話します。
樹里さん
「不安であったり裁判後の思いを私たちも伝えられるところで救いがあったりもするのは、非常に意義があったと思っています」














