「心情伝達制度」運用1年 課題は?
小川彩佳キャスター:
1年前に始まりましたこの被害を受けた方々が加害者に対して思いを伝えることができる「心情伝達制度」。そもそもなぜこうした制度ができたんでしょうか。

TBS社会部 長谷川美波記者:
これまで犯罪の被害者は、一般の人と同じように面会や手紙といった限られたケースでしか、加害者に気持ちを伝えることができませんでした。そのため自分たちの苦しみや悲しみが伝わっていないのではないかといった不満があり、法務省はこうしたことを踏まえて「心情伝達制度」を作りました。希望すれば気持ちを伝えた後の受刑者の反応も聞くことができるそうです。

これまでに100件以上が利用されていて、被害者の思いを聞いた受刑者が謝罪の意思を示したり、被害を弁償する意向を示した事例もあったそうです。法務省の担当者は被害者の置かれた状況を直視させることで、加害者の真の反省に繋げていきたいとしています。

育児アドバイザー てぃ先生:
加害者にとっては、裁判所で判決が出た時点で、一旦区切りという感覚が少なからずあるんじゃないかなと想像する部分があります。一方で被害者の方々、あるいは遺族の方々にとっては一生付きまとう苦しみがあるわけですよね。
だから心理的な部分だけを見ると被害者遺族の方々よりも、加害者の方が心理的な部分だけでは優位に立っちゃってるわけじゃないですか。それが僕はすごくおかしいと思っているので、そこに対してきちんとメスが入るような制度は意味があると思います。

一方で、課題もあると思います。例えば今回の件のように、被害者と加害者の間に刑務官などが入りますよね。その場合、被害者とか遺族の方々が伝えたかった熱量が刑務官の裁量によって変わる部分があると思います。ある刑務官の場合は、熱量をそのまま伝えてくれるけど、ある刑務官の場合はオブラートに包むようなこともあるかもしれない。
今すべてが文章になっている一部を音声にするなど、被害者の方々の熱量をそのまま伝えられるような制度に変わるといいんじゃないかと思いましたが、そのような検討はあるのでしょうか。
長谷川美波記者:
被害者の気持ちがしっかり伝わるのかという課題はありますが、現時点ではそうした検討はされていないそうで、法務省は被害者の気持ちを丁寧に文章にまとめて、それを読み上げるとしています。
小川彩佳キャスター:
こうした制度ができたことの意義はあると思いますが、被害者側の方々にかかる精神的な負担も非常に感じました。
長谷川美波記者:
小沢さんも、自分で望んで加害者と向き合ったとしても、想定した以上に傷ついたというふうにおっしゃっていました。この1年間で日常生活に影響が出るほど気持ちが落ち込んだりしたそうです。
被害者にとって加害者と向き合うことは、つらい記憶を思い出し、かなりストレスがかかります。期待した答えが返ってくるとは限らないので、制度を利用した被害者の心のケアやサポートも必要だと感じました。














