「困窮者の支援」と「地域の活性化」どう両立する?
では、あいりん地区にはどんな未来が待っているのか?今、あいりん総合センターの跡地は北側を「にぎわいの創出」、南側を「労働支援のエリア」として2つの側面の両立を目指しています。
しかし、一見すると対立するようにも思える「困窮者の支援」と「地域の活性化」。西成では特区構想以降、地価が上がりましたが、以前から住んでいた人にとっては地価が上がることはマイナスと言えます。家賃が高くなり暮らしにくくなるからです。一方で、街の再開発という意味で大きな側面ではプラスにも捉えられます。
こうした点について関西学院大学・白波瀬達也教授は、“非常に難しい問題”といいます。その上で、この場所にしかない歴史やノウハウがあるため、両立するにしても優先させるべきは「困窮者の支援」ではないかと指摘します。西成区は実は全国で一番寿命が短いため、そうした点からも改善が必要とされます。
目指す「両立」は簡単ではありませんが、今後の再開発の行方が注目されます。