■忖度?配慮?交錯する白マスクと黒マスク
現地18日午後、両陛下が宿泊されているロンドンの超名門ホテル「クラリッジズ」。チャールズ国王主催のレセプションに陛下が向かわれるということで、我々取材陣もホテル入り口で待機していました。
名門ホテルのホテルマンの独特な出で立ちや、優に180センチはあろうかと思われる女性SPや、ヒュー・グラント風の男性SPに見とれていた時、小さな違和感がおそいました。
「ん?白マスク!?」…彼らがイギリス国内で全く見かけなかった、白い不織布マスクをつけていたのです。


つけているのは両陛下の近くを担当する人だけ。
両陛下への配慮だというのは火を見るよりも明らかでした。
これは、日本側からの、何らかの「お願い」があったのでしょうか?
同行した幹部に聞いたところ…
ーー英国側のスタッフがマスクしていたが、日本からの指示か?
「特に話し合いしているわけではないが、こちらはマスクをしますよ、ということが伝わって先方が気を遣ってくれているのだと思う。色などの指示もしていない」
ーー日本側から、白いマスクを配布したのか?
「していない、していない。日本側がマスクをするということは先方も分かっていたので、それであちらで用意されたものだと思う。こちらからは一切していない」
つまり、白マスクと黒マスクが入り交じった光景は、日英の思いやりの表れ、といったところでしょうか。
ちなみに、英国側のスタッフは、両陛下が車で出発された瞬間、目にもとまらぬ速さでマスクを外していて思わず笑ってしまいました。やはりイギリスではもうマスクはしないのが当たり前のようです。

■そしてまた白マスクに・・・帰りの政府専用機内で驚いたこと


14時間をこえるフライトを終え、この原稿を書き終えパソコンを閉じたところで、また気づいてしまいました。皇宮警察官が全員「白マスク」になっていたことに。そして両陛下も、羽田に到着された際は白いマスクをつけられていました。
「両陛下、即位後初の外国訪問」ー黒いマスクを見るたびに、エリザベス女王の国葬参列という歴史的な瞬間に立ち会えた2泊4日の同行取材を思い出すことになりそうです。
TBSテレビ社会部 亀井美希

















