■芸能界入りを勧めてくれた母への思い「ずっと一緒に」

 インタビュー後半では、女手一つで育ててくれた母とのエピソードも。私立名門中高一貫校に中学校から通っていた田中は「けっこう早めに順位が下がりましたね」と回想。ずっと続けていたバスケットボールもケガで断念し、思春期で初めての挫折を経験したという。

 そんな時期に芸能オーディションへの挑戦を勧めてくれたのが、母だった。「目標を持って進んでいる人たち、やりたいことを夢見ている人たちの中に入ってきてほしい、っていう思い」での提案だったといい、「それがきっかけで僕も自分自身がやりたいこととか、目標が持てる人生に変わったので、感謝しています」と打ち明けた。

 活躍を誰よりも見せたかった母は闘病の末、『おっさんずラブ』放送開始の3か月前に他界。「めちゃめちゃケンカもしつつ、何だかんだ仲のいい親子ではあったんですけど…。仕送りをあげたり、近くに住みたいとか、今だったらしてあげられるのに、ちょっと早いよ、とはどうしても思いますけど…でも母親が他界してからのほうが、ずっと一緒にいる気にはなっているんですよね」と、率直な心境をしみじみと語った。