長崎市の医療機関で子宮頸がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの「過剰接種」事案が起きていたことが分かりました。

長崎市によりますと、ことし6月市内の医療機関で、子宮頸がんを予防するHPVワクチンを必要な回数である3回既に接種していた女性に対し、4回目の接種が行われたということです。

ワクチンの接種記録はすべて母子手帳にシールを貼るなどして記録されますが、接種を行った医療機関も女性本人も見落としており、接種後、母子手帳に記録する際に気づいたということです。

国は、回数を多く打つことによる健康リスクは「極めて低い」との見解を出しており、今回過剰接種した女性も現在までに健康状態に異変はないということです。

市では、ワクチンを接種する前に必ず母子手帳で確認するよう呼びかけています。

キャッチアップ接種1年延長へ

子宮頸がんを予防するHPVワクチン接種は2013年に定期接種となりましたが、副作用に対する不安が高まったことを受け、国が積極的接種の呼びかけを一時中止していました。

効果と安全性の確認を受け2022年から呼びかけが再開されており、国は積極的勧奨の一時中止で接種機会を逃した人に対する救済措置として、公費で受けられる「キャッチアップ接種」を行っています。

対象は誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日までの女性で、期限は今年度いっぱいとなっていますが、駆け込み需要によるワクチンの供給不足が起きていることから、期限が最長1年延長される見通しです。

少なくとも1回は当初の期限である今年度末までに受けていることが条件で、延長に伴い2009年4月1日生まれまでの女性も対象に加わる見通しです。接種の回数や間隔は、ワクチンの種類や年齢によって異なります。