新型コロナの感染者数が減少傾向の中、発熱外来には依然として多くの患者が訪れていました。医師はこの冬にインフルエンザとコロナの同時流行で“受診難民”が出ることを懸念しています。

■感染者数が減少傾向も 発熱外来には多くの患者が

9月20日、東京の新型コロナの新規感染者は3794人。4000人を下回るのは、約2か月半ぶりです。

感染者数が減少傾向にある中、いま医療現場はどんな状況になっているのか。20日、東京・板橋区の「なないろクリニック」を訪ねました。

医師
「近くにコロナの患者さんはいましたか?」

患者
「いなかったです」


発熱外来を受診する患者は、8月中旬をピークに減ってきたといいます。
しかし、祝日の19日は休みの医療機関が多いため約180人を診察し、そのうち陽性率が3割程度。20日も午前中だけで50人程を診察しました。

受診する患者の傾向については…

なないろクリニック 島陽一郎 院長
「若年層が多いような印象ですね。コロナ自体は保育園だったり幼稚園、学校とかでは流行っていますので」

20日も発熱などを訴える、子どもが受診していました。

母親
「ほとんど食事がとれていない」

医師
「水分は?」

母親
「水分はとれています」

■コロナとインフルエンザの同時流行で“受診難民”懸念

また、季節の変わり目とあって、体調を崩して発熱し、コロナ感染を心配して訪れる人が多いということです。

こうした中、院長が懸念しているのがこの冬、インフルエンザとコロナの同時流行。もしインフルエンザ患者が急増した場合、発熱外来の数を増やさなければ対応できないと警鐘を鳴らします。

なないろクリニック 島陽一郎 院長
「受診できない患者さんが増えて、受診難民っていう形であふれてくる。我々の方も受診される患者さんの数を制限する、せざるを得なくなりますね」