バーガーも天丼も「リッチメニュー」

『モスバーガー』が11月から販売を開始したのが、
「一頭買い 黒毛和牛バーガー 〜山わさび醤油仕立て〜」(890円)。
通常のハンバーガーには使用しないサーロインやヒレといった高級部位などを使ったプレミアムバーガーです。

実はこの「一頭買い」シリーズは、2023年に期間限定で販売したところ、3か月で約240万個を売り上げた人気商品。
また、『天丼てんや』の冬季限定「冬 ご馳走天丼」は、
高級食材の「ずわい蟹」や「国産平目」、「天然大海老」に一尾丸々の「活〆穴子」の天ぷらが、丼からはみ出るほど盛り付けられて1480円(みそ汁付)。

ファストフードがナゼ高価格メニューを?
高価格帯のメニューを出す狙いはどこにあるのか…。
ウェンディーズ・ファーストキッチンの社長に、“1000円超えパスタ”を出した理由を聞きました。

『ウェンディーズ・ジャパン』紫関 修社長:
「パスタはファーストキッチンのひとつの顔で、だんだん競争が激しくなり売上が下がったけど、やはりもう1回“パスタにフォーカスさせたい”と」
そこであえて、高級なトリュフを使ったパスタを作ることにしたといいますが、ただ高いメニューを作るだけでなく、「松竹梅」になるよう“価格帯の異なる3つのメニュー”を同時に発売。
▼松=「本気(ガチ)黒トリュフの濃厚ホワイトクリーム」(1120円)
▼竹=「黒トリュフ ベーコンバター」(850円)
▼梅=「やみつきベーコンバター」(620円)

すると、社長も「意外だった」という事態が!
最も売れたのは一番安い「梅」でしたが、次に売れたのが一番高い「松」だったのです。
実はここにも、消費者の“ある心理”が働いているんです。
通山編集長:
「一番安いパスタは、“早く・安く”という本来のファストフードの価値がすごく感じられる商品。一方で一番高い商品は、出した価格に対して『黒トリュフが味わえる』という“体験価値”がすごく高い」
しかも、高級食材を体験するのにレストランだと敷居が高いけど、ファストフードなら気軽に入店できる。
いつもの場所という安心感が、“ちょっと高価なものを食べてみてもいいかも”という後押しになっているというのです。
この“体験価値”を生み出した結果、ウェンディーズ・ファーストキッチンではパスタ全体の売り上げが30%も増加したそうです。
(THE TIME,2024年11月22日放送より)